法務省保護局登録 「自立準備ホーム」

香川県高松刑務所
香川県高松刑務所

自立準備ホームを運営しています。

                            NPO法人香川野宿者支援の会

 

自立準備ホームとは

 

 法務省・保護局は、「刑務所や少年院を出所したのち、帰る家の無い人が、自立できるまでの間、一時的に住む事の出来る民間の施設」として、従来は『更生保護施設』がありました。

 そして、新たに『自立準備ホーム』を2011年5月に設定しています。 『自立準備ホーム』は、保護局の『緊急的住居確保・自立支援対策実施要領』で、「保護観察に付されている者及び更生緊急保護の対象となる者(以下「保護観察対象者等」という。)であって適当な住居の確保が困難な者について、更生保護施設以外の宿泊場所に宿泊させて行う措置を委託する」と その趣旨を定めています。

 (仮釈放になった方、刑が保護観察付執行猶予になった方が対象です。)


 また、「自立準備ホーム」は『応急の救護等及び更生緊急保護』の為の施設としても利用できます。検事拘留以後に帰る処の無いホームレスの方が対象になります。

 

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 (更生保護法、第5章・第八十五条)

(更生緊急保護)

第八十五条  この節において「更生緊急保護」とは、次に掲げる者が、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後、親族からの援助を受けることができず、若しくは公共の衛生福祉に関する機関その他の機関から医療、宿泊、職業その他の保護を受けることができない場合又はこれらの援助若しくは保護のみによっては改善更生することができないと認められる場合に、緊急に、その者に対し、金品を給与し、又は貸与し、宿泊場所を供与し、宿泊場所への帰住、医療、療養、就職又は教養訓練を助け、職業を補導し、社会生活に適応させるために必要な生活指導を行い、生活環境の改善又は調整を図ること等により、その者が進んで法律を守る善良な社会の一員となることを援護し、その速やかな改善更生を保護することをいう。

一  懲役、禁錮又は拘留の刑の執行を終わった者

二  懲役、禁錮又は拘留の刑の執行の免除を得た者

三  懲役又は禁錮の刑の執行猶予の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者

四  前号に掲げる者のほか、懲役又は禁錮の刑の執行猶予の言渡しを受け、保護観察に付されなかった者

五  訴追を必要としないため公訴を提起しない処分を受けた者

六  罰金又は科料の言渡しを受けた者

七  労役場から出場し、又は仮出場を許された者

八  少年院から退院し、又は仮退院を許された者(保護観察に付されている者を除く。)

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私たちは、受託事業者です


 2011年7月8日に、高松保護観察所の登録が完了しました。

 この登録は、これまでの野宿者支援の会の活動で、出所者や受刑中の方の支援に数多く関わってきた実績があるからです。その他、法務省保護局の求める「受託事業者の要件」は満たしていました。

 この話が保護観察所から来た時に、NPO法人の登録作業を進行させていましたので、より好都合な状況になりました。

 

これまでの事


 これまでは、野宿者(野宿生活者、「ホームレス」)の方が罪を犯して、刑事裁判を受ける時、国選弁護人の弁護士から連絡を貰って、接見・面会、弁護側の証人などで関わり、出所後の生活保護申請をサポートしてきました。

 数多くの実績があるとは云っても、私たちの知らない事件や裁判も数多くあり、ホームレスの出所者も数多く居ました。もどかしい思いもしながら、手の届く範囲での支援でした。 出所後、ホームレスに戻ってしまっていた方とも、駅や公園で数多く出合っています。

 再びホームレスにしてしまうのではなく、あるいは再び罪を犯させるのではなく、その前に支援の手を差し伸べる事が出来ないだろうかと、忸怩たる思いでした。

  「自立準備ホーム」の委託を受けたことで、これまで以上に多くの方と出会う事が出来ます。

 今回のこの一歩を、本当に嬉しく思っています。

 

まず始めに、こんな事をしようと思っています


 私たちは、野宿者支援の民間NPOですから、「出所者」といえども、野宿生活者への支援の手法と同じやり方をしていきたいと思います。まずは、アパートでの落ち着いた生活が出来るように、必要な生活習慣を身につけていただくことから始める事が必要だと思っています。 また、「自立」は孤立によっては実現できません。友人知人との穏やかな関係を保ち、共に助け支え合ってこその社会生活を得る事で、真の「自立」も可能です。身も心も置場があってこその、平安です。その状態に辿り着けるようにしていきたいと思っています。

 

勿論、私たちが更に経験を積む事が、第一です


 今後の行動と、報告をお待ちいただければと思います。

 

<2012/3/12 改定>

 

少年も、女性も

 少年の審判で、試験観察期間の受け入れが「自立準備ホーム」で出来ます。
 野宿の状態で罪を繰り返し犯し、少年院に行くしかなかった子がいても、「更生保護法」と「自立準備ホーム」で、何時でも即時に対応できます。
 「付添人」になる弁護士さんが私たちの存在を知っていて、逆送によって執行猶予刑を得る方法を考えましたが、家裁の調査官との話の中で、本人の自立の意思も確認しながら、保護観察処分が可能か、試験観察期間を設けるところから「自立準備ホーム」の利用を考える事が出来ます。
 
 私たちも、この様に自立準備ホームが活用できる事を知り、罪を犯しながら親御さんの庇護が受けれない子供たちに、手を差し伸べる手段を得ている事を知りました。
 
 女性の保護観察は、四国島内に女性を受け入れる事が出来る更生保護施設がありません。遠くの県へ行くしかないので困っていた様ですが、支援の会の「自立準備ホーム」ならば単独での生活になりますから、受け入れが可能です。
 こちらの場合は、既に受け入れて、退所し、生活保護を受けての生活が始まっています。

 多くの弁護士さんがこれらの事を知っていただき、裁判の前から当事者を紹介いただければ、安心し助かる事が出来る方が増えると思います。

 

<2012/7/1 記>

当事者の方へのご案内のチラシです

「自立準備ホーム」入所を考えて下さい

 

出所後に住居が無い方へ

 私たちは「NPO法人香川野宿者支援の会」と云います。名前で示していますように、野宿(ホームレス)の方が住居を確保して生活が出来る様に支援をするボランティアをしています。

 このたびは、刑務施設(刑務所・拘置所・留置所など)を出所後に、住む所が無いということで、紹介されて知り合いました。ですから、住む所を提供する為に、私たちが支援させていただくことになりました。

 出所後の生活は、刑を残しての仮釈放や、執行猶予保護観察付きの判決の場合は、「保護観察」で「更生保護施設」か「自立準備ホーム」に入所することになります。起訴猶予や執行猶予判決、満期出所などの場合は「更生緊急保護」入所です。

「更生緊急保護」で入所するには、住居や所持金が無く、親族・知人などの頼れる人が誰もいない事、他の機関からの保護を受けられない、またはそれだけでは不十分であることが条件です。保護観察所が面接をして、判断します。

これで、再び路上でホームレスをする事が無くなります。

 

自立準備ホームとは

 法務省・保護局は、「刑務所や少年院を出所したのち、帰る家の無い人が、自立できるまでの間、一時的に住む事の出来る民間の施設」として、『更生保護施設』と『自立準備ホーム』を設定しています。

 『自立準備ホーム』は、保護局の『緊急的住居確保・自立支援対策実施要領』で、「保護観察に付されている者及び更生緊急保護の対象となる者(以下「保護観察対象者等」という。)であって適当な住居の確保が困難な者について、更生保護施設以外の宿泊場所に宿泊させて行う措置を委託する」と その趣旨を定めています。

 従来は「更生保護施設」しかありませんでしたが、2011年4月から、「自立準備ホーム」が出来ました。

 

どの様な所か

私たちの様なNPO法人が運営する施設です。団体によって様々な居室状態がありますが、私たちは民間のアパートの一室を借りて単独で入居していただきます。近隣の住人には、特別な部屋と思われる事も無い普通のアパートの一室です。自然な生活を始めていただく事が出来ます。

自身で生活を始めるのに必要な家具什器類も、一揃い整えています。更生自立のために、まずは落ち着いた状態になっていただくのが一番だと考えています。

どの様にして入所するのか

 刑務施設を出所するまで、面会や手紙のやり取りで、連絡を取り合っていたいと思います。それで、私たちも出所の日が確認でき、迎えにも行けます。

出所時に渡される保護カードを持って、私たちと一緒に保護観察所に行き、準備ホームへの入所を願い出ます。そして、保護観察所が委託を決定すれば入所できます。

 

手紙をください

 私たちは、頻繁に面会に行く事が出来ません。申し訳ございません。ですから、時々手紙をください。

 

宛先 760-0056 香川県高松市中新町10-8 307号

     NPO法人香川野宿者支援の会 谷本 博道

<2012/6/9記>

準備ホームに受け入れて

 これまでに3人の方が準備ホームを出ていかれました。

 保護観察所から委託されている期間は二ヶ月です。

 其々の方が、罪を犯した事だけで無く、様々な問題を抱えています。ですから、二ヶ月では「自立」と呼べる状態には辿り着けませんでした。生活保護の申請で、アパートを確保し、生活費の目途もつけた、再度の出発になりました。しかし、仕事を手に入れて「自立」するには、困難な状況が多いことは明白です。

 「自立準備ホーム」での生活指導から、「支援の会」の生活サポートに切り替えて、今後も関係を継続して行く事になります。

 今後の受け入れる方についても、同じ事が言えるのでは無いかと思っています。

<2011/12/27 記>

新聞報道記事です

<毎日新聞・香川版>2011年7月8日

高松保護観察所:出所者の再犯防ごう 自立準備ホーム運営、2団体きょう登録 /香川

 ◇民間委託、県内で初
   ◇「周りの人間が支えて、温かい気持ち育てば」
 刑務所などを出ても住まいや生活資金、仕事がないために再び犯罪を起こす事態を防ごうと、高松保護観察所は8日、出所者らの一時的居住施設「自立準備ホーム」の運営を委託する二つの民間団体を登録する。出所者らの受け入れをしてきた更生保護施設以外の民間施設に更生保護事業を委ねる新しい取り組みで、県内では初めて。受け入れ態勢の拡充が目的で、登録予定の2団体は年4人程度の受け入れを目指す。【広沢まゆみ】

 登録されるのは「路上の杖」と「NPO法人香川野宿者支援の会」(いずれも高松市)の2団体。ともに野宿者支援を掲げて活動を始めたが、身寄りや生活資金のない出所者の支援にも取り組んでいる。

 従来は出所者に生活保護を受給させ、食費や家賃など必要な生活費を賄ってきた。保護観察所に登録されると、1人当たり日額約4500円の委託金が国から「自立準備ホーム」の受託団体に支払われ、出所者の生活費などに充てられる。出所者の行き場をより多く確保することで、仕事を見つけさせて自立を図り、再犯者を少なくする狙いがある。

 出所者1人当たり1、2カ月の仮住まいを想定しており、食事の提供や緊急時の24時間対応、団体職員による1日1度の面会などの支援に取り組む。

 これまで自立のための一時的な受け入れは、法務大臣の認可を受けた民間の更生保護施設が担ってきた。全国に104カ所(7月1日現在)あり、出所者は一定期間、無料で居室や食事の提供を受けられる。県内では、「讃岐修斉会」(丸亀市)が08年度に約100人を受け入れ、平均在所日数は約100日だった。しかし施設定員は約20人で、「常にほぼ満員」(保護観察官)という。

 登録される「NPO法人香川野宿者支援の会」の谷本博道代表理事(58)は「孤立が再犯を招く。周りの人間が支えて、温かい気持ちが育てば、罪へのブレーキになる」。

 「路上の杖」の大塩幸子代表(64)は「出所したばかりの時に羽を休めて、仕事をしっかり探せる環境が必要。罪を犯すのはちょっとした掛け違いなので、再犯を防ぐ力になれれば」と話している。

 ◇09年検挙者、再犯42.2%
 法務省の統計によると、09年の満期釈放者計1万5324人のうち、約6700人(43・8%)に帰住先がなく、数多くの出所者が仕事も十分な生活資金もないまま、社会に戻っている。そのため再犯に至るケースも多く、09年は14万431人の検挙者のうち42・2%が再犯者だった。この割合は97年から上昇し続けており、問題の抜本的な解決策が模索されている。「自立準備ホーム」は4月に宮崎県の民間団体が全国で初めて運営を受託した。5月末時点で、23都道府県で36団体が登録されている。